グループホームでは介護度が重くなると退去する必要があるの?

グループホームとは

グループホームとは、認知症の高齢者が入居する地域密着型の介護施設です。
何人かの人が集まって生活をするもので、まるで家族で生活している様な感覚で暮らせることが特徴です。
スタッフが常駐してホームに入居している人のフォローを行いますが、基本的には入居者自身が、生活に必要な作業を行います。
このグループホームの中でも、注目されているのが「認知症高齢者グループホーム」の存在でしょう。認知症となった患者がグループホームで生活をすると、症状の進行を抑えることができると言われています。

日本では認知患者が目立つようになっており、今では早期発見・治療を目的に、テレビやチラシなどでも認知症の存在を知らせるための工夫を実施。また、認知症患者が生活できるグループホームも増えてきました。
認知症の患者にとって、グループホームは非常に心強いものです。

症状が重くなったら退去は必要なの?

これは非常に難しい問題です。 一般的に、グループホームは「自分で生活をすることが可能な患者・お年寄りのためのもの」と言われてきました。認知症であれば、軽度の人が対象であるということですね。しかし、現在は国が方針として「グループホームでは、重度の患者も受け入れる」となりました。
ですが、現実的には「やはりグループホームによって、どんな状態の人を受け入れるか」が決まっていることがほとんど。なぜなら、症状が軽度の人と重度の人では、お世話から余暇活動まですべての計画が違ってくるからです。

同じ「認知症」でも、軽度と重度ではスタッフに求められる役割が異なるでしょう。
この為、「軽度の認知症患者を対象としているグループホームであれば、重度になった場合は退去となる」ということもあります。また、グループホームはあくまで「介護施設」であり、「医療機関」ではありませんので、医療サポートの度合いが高くなった場合は、やはり他のホームへの入居を促される可能性もあります。

グループホームの工夫

では、「重度の人は絶対にグループホームに入ることができないか」といったら、そうではありません。今は、ホームのほうでも重度化した患者さんへの対応を強化しており、「重度の認知症であっても、他の患者と一緒に生活ができる状態であれば、生活を継続できる」というところが増えてきました。

この様な施設が増えていけば、万が一重度になっても、施設移動などのをしなくて済む可能性があります。 また、入居者とその家族も、事前に「施設の概要」を把握することが大事です。

認知症をはじめ、徐々に進行していくことが避けられない病気の場合、「重度化してしまったときの対応」について施設に確認しておくこと。万が一「重度は受け入れられない」と言われた場合は、「重度化してしまった場合に入居できる施設を探しておくこと」も大事です。もちろん、施設を探していたからといってすぐに入居ができるわけではありませんが、いくつかの目星をつけておくことは後々の施設移動に役立つでしょう。

施設については、ケアマネージャーや市の担当者に話をしましょう。ケアマネージャーは介護プランのプロです。認知症患者の場合は、精神科の医師に指示を仰ぐということも必要かもしれません。

いずれにせよ、症状が重度化してしまった場合でも何らかの対策をとることは可能ですので、あきらめずに対策を練ることが大事です。そして、家族だけで抱え込まずに積極的に相談機関を利用することも忘れずに。