上限500万円?保全措置について

保全措置とは

「保全処置」とは、入居一時金に関する救済措置と考えて下さい。
有料老人ホームに入居する場合、「入居一時金」を支払う必要があるということはご存知ですよね。
入居一時金は、仮に老人ホームを退去する時には戻ってくるものです。
「入居一時金」とは、簡単に言うと「賃貸物件を借りるときに支払う敷金」にあたりますので、もし途中で退去することがあれば、試用されていないぶんは変換されるのです。

しかし、有料老人ホームをめぐっては、「返ってくるはずの一時金が、返ってこない」などのトラブルも過去には多く、問題になっていました。
有料老人ホーム側がなんやかんやと理由をつけて返還しないこともありましたし、施設側と利用者側が「返還」に対しての意識を取り違えていたということもあった様です。また、問題なのが「有料老人ホームが倒産した場合」です。施設が倒産してしまった場合、支払ったぶんの入居一時金がどれくらい戻ってくるのかという問題点もありました。

実は、介護および老人ホームの分野というのは、以前から「業界がまだまだ未熟である」と指摘されており、「制度がしっかりと整わないうちに日本が高齢化社会に入ってしまった」という現状もあります。
この「入居一時金をめぐるトラブル」は、この「日本の未熟な介護制度」から生まれたトラブルとも言え、早急な対策が求められていました。
そこで、新しく作られる有料老人ホームに対しては、「保全措置」として、有料老人ホームが倒産してしまった場合でも、入居一時金が保全されるという制度がつくられたのです。
これにより、現在の老人ホームは「安心感のある制度のもとに運営される」ということになり、利用者にとってもメリットがとても大きくなったのです。

施設が倒産してしまった場合にのみ有効

平成18年に、「入居金保全措置」という制度が施行されました。
この制度は、施設が倒産してしまった場合にのみ適用される制度です。
施設が倒産してしまった場合、返還されるはずの入居一時金のうち500を保証するというのがこの制度。
つまり「万が一施設がなくなってしまったとしても、預けているお金のうち500万円は返してもらうことができる」という決まりです。
注意したいのは、たとえ入居一時金が1500万円残っている状態であったとしても、施設が倒産した場合は500万しか返ってこない可能性もあるということ。

この制度が適用されている施設を探すことが大事

この保全措置は、存在するすべての老人ホームに適用されるわけではありません。 厚生労働省が認定を行っている施設のみに対する法律ですので、入居の際は「自分が入ろうとしている施設が、保全措置に該当しているかどうか」を確認しましょう。