「入居金0円プラン」とは 近年増える傾向

老人ホームにおいて、「入居金0円プラン」というものを良く見るようになりました。
このプランは、名前の通り「従来であれば必要であるはずの入居一時金が必要ない」というプランのこと。
民間の老人ホームに入居する際は、必ず「入居一時金」を支払うことが義務とされてきました。しかし、現在はこの「入居一時金」をなくした施設が増えており、人気を集めているようです。

なぜ入居一時金が必要ないのか

入居一時金は、市町村などから補助金をもらうことができない民間の老人ホームが運営する為に、必要不可欠なものであるとされてきました。
しかし、この入居一時金は施設によっては数千万円するところもあるため、「施設に入りたくても入ることができない人がいる」ということがネックでもありました。また、高額な入居一時金には「初期償却」と言って、一艇期間をおいて償却されていくお金もあり、これは入居と同時に償却されてしまいます。仮に「この施設は合わなかったので、他に移動したい」と考えたとしても、償却されたお金は戻ってきません。このことから、「一度老人ホームに入ってしまえば、その後に別のホームに移動するのは難しい」という構図ができてしまい、問題視もされていたのです。
入居一時金をなくす施設が増えてきたのは、上記の問題に対する救済処置と考えていいでしょう。
現在の傾向として、この「入居一時金0円プラン」は増加している様です。

入居一時金0円、新たな問題点も

しかし、この「入居一時金0円」というプランが、新たな問題を呼んでいるという話もあります。
そもそも、この「入居一時金」というのは「施設を運営していくために必要なお金」として使われるもの。
つまり、「この入居一時金をなくした場合、どこで運営費を得るのか」という問題が出てくるわけです。
入居一時金をなくした代わりにどこから運営費を捻出するか、それは「月々の利用料金」ということになります。
入居一時金が0円になったとしても、月々の利用料金が高くなっている可能性があり、さらに計算してみると「0円プランの方が、将来的に支払うお金は高い」ということも。
入居一時金が0円だと、誰もが「安い」という印象を持つと思いますが、これだけで「安い」と決め付けてしまうのは尚早です。